起業の定義
「起業」という言葉はよく使われますが、その意味は非常に広く、多様な文脈で用いられています。日本には法的にも行政的にも明確な「起業」の定義は存在しません。たとえば法人の場合、登記をもって起業とみなされることがありますが、個人事業主においては、開業届の提出がその基準とされることもあります。しかし、実際には開業届を提出せずにビジネスを開始する人も多く、行政統計もその実態を正確に捉えられていないのが現状です。
さらに、近年では副業としての事業開始も広がり、「会社員でありながらもネットショップを始める」「講師業を副業で行う」といったケースが急増しています。こうした変化により、「起業」という行為の実態はますます多様化しており、一律の定義では捉えきれなくなっています。
当協会では、「営業を開始し、対価を得る行為の開始」を起業の本質と考えます。つまり、商品やサービスを提供し、その見返りとして金銭的な報酬を得ること、これこそが起業の核心です。この定義は、法人・個人、専業・副業を問わず、すべての事業活動に共通します。名刺を作り、開業届を出すだけでは起業とは言えません。自らの思いを形にし、市場に向けて能動的にアクションを起こす。これこそが起業家としての第一歩です。
起業家のタイプ
起業家には多様な動機とスタイルがあり、それぞれに適した支援が求められます。当協会では、以下のような代表的な起業家のタイプを理解したうえで、個別最適な起業支援を行います。
■ 起業スタイルによる5タイプ
社会変革型:社会課題の解決を目的に活動する起業家。ビジネスを通じて社会全体の改善を目指します。
アイデア実現型:
自のアイデアや発明を形にしたい人。発想力は豊かですが、実行力や継続性が課題になることも。
技術活用型:
特許や専門技術を活かして事業を展開。技術に偏りすぎず、用途開発と市場性が鍵となります。
独立志向型:
社長になりたい、自由に働きたいという強い欲求から始まるタイプ。行動力が高く、自己実現欲求が原動力です。
成り行き型:
偶発的なきっかけから起業に至るタイプ。柔軟性と対応力が強みで、変化への適応が得意です。
■ 起業動機による3類型
事業機会型:
市場におけるチャンスを発見し、それを捉えて事業化するタイプ。需要を読む力と俊敏な行動が特長です。
生計確立型:
生活のため、失業対策として起業する人。リスクを避けながら安定収入を重視する傾向があります。
自己実現型:
好きなこと・得意なことを仕事にし、自分らしく生きるために起業する人。シニアや女性の起業に多く見られます。
起業家それぞれが異なる「動機」「強み」「価値観」を持っているからこそ、画一的な支援ではなく、個々のスタイルに合わせた伴走型の支援が不可欠です。当協会では、起業家のタイプを見極め、最も効果的な支援を提供できる体制を整えています。
起業支援の必要性
起業は自由の象徴であると同時に、極めて孤独で厳しい営みでもあります。会社員であれば、ある程度決まった役割と収入が保障されていますが、起業家はすべての意思決定を自ら行い、その結果についても全責任を負います。事業コンセプトの構築、集客・販売戦略の策定、財務・税務対応、商品・サービスの品質管理、人間関係の構築など、実に多岐にわたるスキルと心構えが求められます。
とりわけ創業初期の段階では、誰にも相談できない、何を信じていいかわからないという不安がつきまといます。また、社会的な信用力が乏しい状態では、資金調達や取引先の開拓にも困難が伴います。こうした起業家の“伴走者”として、知識だけでなく心理的にも支えられる存在が必要不可欠です。
当協会では、起業家一人ひとりの「志」に寄り添い、計画段階から実行フェーズに至るまでをトータルにサポートします。単なる手続き支援にとどまらず、「なぜ起業するのか」「どのような社会的意義があるのか」といった内面的な問いに対しても丁寧に向き合います。自信や判断力、継続力といった“起業家としての土台”を育てることが、持続可能なビジネスの第一歩になると私たちは考えています。
起業支援の内容
当協会の起業支援は、「単なるノウハウ提供」ではありません。私たちは、実行可能な行動支援と精神的な伴走を融合させた“実践的パートナー型支援”を提供しています。以下はその主な内容です。
① ビジネスプラン策定・ブラッシュアップ
5W1Hに基づくシンプルな構成から、競合分析やターゲティング、財務見通しまで、実践的なプランニングを支援します。作成したプランを多角的に評価し、実現可能性を高めるためのフィードバックも行います。
② マーケティング戦略・販売導線設計
キャッシュポイントの絞り込み、顧客セグメントの明確化、SNSやオウンドメディアの活用、見込み客からファンへの育成プロセスなど、売上につなげる仕組みを構築します。
③ 起業マインド・行動指針の確立
理念や行動規範(クレド)の策定を通じて、自分らしく経営するための軸を作ります。これにより迷いが減り、判断が早くなります。
④ 資金調達・資金繰り支援
融資・補助金・投資・自己金融といった手段を組み合わせ、状況に応じたファイナンス設計を行います。補助金申請のブラッシュアップや予実管理の指導も可能です。
⑤ 事業運営の実務支援
営業・販促・バックオフィス業務の効率化、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の指導を含め、経営の仕組みを“地に足の着いた形”でサポートします。
以上の支援はすべて、「自走できる起業家」を育てることを目的としています。教え込みではなく、自分で考え、決断し、行動できるようになるまで、私たちは並走します。
好きな事で飯を食う(スキメシ)
「好きな事で飯を食う」こと、通称“スキメシ”は、単なる夢や理想ではなく、現代において多くの人々が真剣に目指す生き方の一つです。人生100年時代、仕事は単なる生活手段ではなく、自分らしさや幸せを表現する舞台でもあります。私たち「起業支援プロフェッショナル協会」は、“スキメシ”を現実のキャリア戦略と位置づけ、その実現に向けて具体的な支援を行います。
スキメシの実現のための3つのアプローチ
① 今の仕事を「好きになる」:自分の視点を変えて価値を見つける
すでに就いている仕事を「本当に好きな仕事」に変えることは可能です。人は仕事に対する関わり方や視点を変えることで、やりがいや満足度を大きく高めることができます。たとえば、ルーチンに感じていた業務の中にも、自分が工夫できる余地、誰かの役に立っている実感、あるいはスキルの習得と成長のチャンスが見出せるかもしれません。
この道は「転職」や「起業」に踏み切る前にできる、最も即効性のあるスキメシ実践法です。自らの行動指針(クレド)や価値観を整理し、仕事の意味づけを再構築することで、「やらされ感」から「やりたい」に変える土台がつくられます。
② 好きな仕事ができる「会社に就職する」:環境を選ぶ勇気
現職に魅力を感じられない場合、自分の価値観や関心と合致する環境を探すことも重要です。特に、ミッション・ビジョンに共感できる企業、得意分野を活かせる職場、柔軟な働き方が可能な組織は、スキメシ実現のための「土壌」となります。
「好きなことを仕事にする」の前に、「好きなことを活かせる環境に身を置く」ことも大切です。そのためには、自分の価値観や特性(強み・弱み)を客観的に把握し、志向と合う職場を見極めるキャリアリテラシーが求められます。私たちは、転職活動における自己分析や企業選定の視点についても指導を行います。
③ 好きなことで「起業する」:最も自由で、自分らしい働き方
もっとも自分らしく働きたいと願う人にとって、「好きなことで起業する」ことは究極のスキメシ実現手段です。趣味、特技、人生経験、情熱のある分野を事業化し、生活の糧とするこの道は、精神的な満足度が非常に高く、「誰かを幸せにしながら、自分も幸せになる」という理想的な循環を実現します。
しかし同時に、そこには「収益性」「継続性」「市場性」といった厳しい現実も伴います。自己満足に終わらせず、ビジネスとして成り立たせるには、市場との接点を見極めた商品設計、適切な価格戦略、顧客との信頼関係構築といった「プロの視点」が不可欠です。
当協会では、スキメシ起業を実現するための以下の支援を提供しています:
自分の価値観・強みの棚卸とビジョンの言語化
市場ニーズとの接続と商品・サービスの企画支援
小さく始めて検証する「テスト起業」の設計
ビジネスモデルの構築と収益構造の最適化
SNSやWebを活用したファンづくりと販売導線設計
感情の揺れや不安を乗り越えるためのメンタル伴走
私たちは「情熱だけでは食べていけない」「お金だけでは続けられない」ことを知っています。だからこそ、感性とビジネスのバランスを取りながら、スキメシを「ちゃんと食べていける形」にする支援を大切にしています。
まとめ
スキメシは、自己実現と社会貢献を両立させる働き方の未来形です。今の仕事を好きになる工夫、新たな職場への移行、あるいは思い切って好きなことで起業する選択。そのどれもが、あなたにとっての「正解」になり得ます。
「やりたいことがある」ことは尊いことです。しかし、それを「仕事として継続する」には、仕組みと支援が必要です。当協会は、スキメシを夢ではなく現実にするために、理論・実践・心理面の3方向から徹底的に支援いたします。
スキメシは当協会顧問である吉田雅紀が権利を保有する登録商標であり、当協会および当協会メンバーは吉田雅紀の許諾を受けて使用しています。